仏師の坂上俊陽です。
現在、不動明王像の岩座を彫っていますので、そちらについて説明していこうと思います。
・不動明王像の台座は主に2種類。
岩座(いわざ)と瑟瑟座(しつしつざ)に分けられます。
•岩座は盤石(ばんじゃく)ともいい、不動を象徴した堅固な様子を表しています。
岩座の不動明王は大磐石という大きな岩に座っている又は立っています。(ここでは座っている状態を例にして説明します。)
「盤石」の意味は「大きい岩で極めて堅固なこと」
不動明王が固いダイヤモンドのような堅固な大きい岩に座っている状態は人々を救おうという固い意志を象徴しています。
この事から盤石は「非常に堅固で揺るぎない様子
」として日常的に使われています。
もう一つの台座は瑟瑟座(しつしつざ)と言います。
こちらも堅固不動の意味を表しています。
瑟瑟座(しつしつざ)
は、同形の形のものを積上げ、平面も規則正しい凹凸を付けた曲線のない幾何模様という特殊な形。
どちらの台座も不動明王の像がしっかりとした台の上に座っている姿を象徴しており、堅固な力強さと安定感を象徴しています。
不動明王は不動の精神と言われるようにどんな困難にも動じない存在であることを示します。
このような2つの台座が用いられています。
不動明王は名前からも分かるように、台座に座り常に心の迷いがない不動の状態、またすべての人を救うまではその場を動かないという決意を表しているとも言われています。
不動明王は、恐い顔をしていますが、心の迷いや煩悩を取り除き、全ての人を救う慈悲深い仏様です。
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