仏師がつくる遺骨入れ、骨壷

先日、つくっていた遺骨入れ。

お墓の五輪塔をイメージしています。

意味を理解するとお墓参りする時に一層、故人への思いが深まると思いますので是非読んでみて下さい。


当工房は大切な方を亡くされた方からの仏像依頼が多い。
その際に遺骨入れも一緒に頼まれる事もあります。
今回の依頼はお墓を小さくしたものとして拝みたいという依頼です

お墓の形には、さまざまなタイプがあり今回のイメージになったのは五輪塔型のお墓。

寺院に行けば見る事があると思います。僕が毎日おまいりに行っている神社にもあります。凄いものばかりで石工職人さんの腕に驚く事も多いです。

五輪塔はもともとは手のひらサイズとして作られ、その中には遺骨を入れていました。

それが日本に伝わった段階で、石材で同じ形のものを作り、それをお墓や、供養塔としたものらしいです。

自分も知らなかったのですが元は小さいものだったようです。



「五輪塔の意味」
(話すと長くなるので手身近に要点を説明します。説明不足な点がありましたら申し訳ありません。)

五輪と言うので上からパーツごとに意味があります。

お地蔵様が手に持つ宝珠と同じ宝珠形は「空輪」を現します。

その下の半球形は「風輪」

三角形は「火輪」

丸形は「水輪」

四角形は「地輪」

空、風、火、水、地を意味し自然界の5大要素を表しています。

こういうのは漫画の題材としてよく使われたりしますね。

もう一つの意味合いとして5つ全体で人間そのものを表し、人間の個々の部位を構成するものとなっているようです。

説明しやすいように順番を逆に説明します。
・地輪:肉体
・水輪:血液
・火輪:体温
・風輪:呼吸

・空輪:以上の4つが融合し調和している状態を示します。

五輪塔は人間であると同時に自然界又は宇宙を表している。

そして五輪塔にお経を唱える事によって大切な方を極楽浄土へ往生してもらうという事なのだと思います。

大切な方を偲び、亡くなった後の世界を考える文化は今後も大事にしていきたい文化です

 

余談ですがこの作品に実は文字が彫ってありますが載せないように写真を撮りました。

 


実は仏教の宗派ごとに意味合いや考え方は少し異なります。
なので宗派ごとに彫る文字は変わってきます。

 

ショート動画はこちら↓

 

 

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仏師 坂上俊陽