仏師が彫り出す木彫りの本尊 薬師如来立像

 

千葉県習志野市 習雲山瑠璃光院薬師寺様から本尊 薬師如来立像のご依頼をいただきました。

また開眼法要も行いましたのでその様子も後ほど紹介します。

 

 

 

こちらのお寺様には本尊の秘仏があります。

 

秘仏とは本来は厨子に入っており一般的に見ることの出来ない仏様です。

 

そこで本尊をより身近に感じてもらうために御前立仏(礼拝者に見せる像)を迎えたいとご住職から当工房へご連絡がありました。

 

ご依頼のきっかけは15年前に仏像を納めたお寺様のご紹介です。本当にありがたいです。

 

 

御前立仏を迎えるにあたって

 

どのような形で安置して拝むのかを、ご住職と入念に打ち合わせしました。とても素敵な演出があるので最後に紹介します。

秘仏は金箔の仏像ですが木のままの像を迎えることになります。将来的に金箔を貼ることも考えた彫りをしていきます。

 

金箔を貼る場合は、まず下地調整をします。その段階で少し像が細くなります。そこで漆塗りをした上で漆で金箔を貼ります。漆が溜まりやすいところは彫刻のラインを出すために1ミリ深くしておくなど考えながら彫ります。また台座、光背、本体など入り組んだ場所は分解して塗る事が出来るようにしてあります。

 

こうしておくと修理もしやすくなります。

 

ここからは工程の紹介です

 

 

秘仏の大きさを確かめ図案にします。台座、光背、本体など木材を切り分けます。木材は木目の細かい木曽檜です。本体に一番良い部分が来るように木取りします。

 

 

叩きのみで木から仏様を彫り出します。

なるべく細かい部分も出していきます。

 

 

手は別々で彫り出します。ふっくらと慈悲のある手を。

 

 

顔も出していきます。細かい部部は仕上げ用の彫刻刀に持ち替えます。

 

 

目を入れるときは緊張します。入念に研いだ小刀を使用します。

 

 

こちらは光背になります。細かいので慎重に彫ります。

 

 

台座

忠実に再現していきます。透かし彫りは綺麗です。個人的に好きです。

 

 

 

台座、光背、本体を組み合わせて完成

 

 

工程はショート動画でまとめました。よろしければご覧下さい。

 

 

続き

 

千葉県習志野市へ行き仏像を安置しました。今回、檀家様やご縁のある方のお名前を書いた巻物を台座に入れました。いつも仏様に守られますように。

 

 

無事に開眼法要が終わりました。書きたいことが沢山ありますが長くなるので写真で想像してください。

 

お寺様の仏像は最後に魂をいれ皆様のお祈りによって完成します。この瞬間に立ち会えたことを感謝しています。

 

 

 

一年前に打ち合わせを開始しようやく完成した像を納めることができ職人冥利に尽きます。

 

 

 

途中で紹介した演出

 

外からも拝める本尊。真ん中を円にして外からも本尊が拝めるように設計されています。

縁(えん)が繋がってほしいという意味を込めています。

 

最後にご住職から大切にしていたご縁が繋がって、こうして仏様を納めることが出来たと言ってくださいました。

 

ご縁をありがとうございました。

 

 

仏像の材料で作るお箸のワークショップも行いました。習志野経済新聞様が記事にしてくださったのでよろしければご覧ださい。

 

今回の記事はこちら  習志野経済新聞

 

 

誰かにとって特別であればいい。その様なコンセプトで当工房はこれから出会うお客様にとって特別となる仏様を迎えていきたいと思います。

 

 

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